本と雑誌 18冊 『清川虹子 「恋して泣いて芝居して」』 [本と雑誌]

隊長が読んだ「本と雑誌」を紹介するシリーズの第18回は、『清川虹子「恋して泣いて芝居して」』をお送りします。

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『恋して泣いて芝居して』は、2002年に89歳で亡くなられた喜劇女優 清川虹子の自伝です。


この自伝が発行されたのは1983年、清川虹子 71歳の時です。


大正元年(1912年)に生まれた石田はな(清川虹子)は、父親が神田淡路小学校の小使い(用務員)として働き始めたため、四畳半一間の用務員室で育ちました。


そこ頃の“はな”を、第一章「小使いの子」で回想しています。印象的なのは、「いつか白馬の王子様が現れて、この小使い室から連れ出してくれる」と語っているところです。


晩年の映画『復讐するは我にあり』や『楢山節考』で見せた鬼気迫る演技からは想像出来ない、“乙女チック”な時代もあったのですね。


少女から大人になり、恋をした新劇俳優の中条(ちゅうじょう)金之助、活動弁士 生駒雷遊(いこまらいゆう)、JOスタジオ社長の弟の大沢清治のことを、第三章「十七才の結婚」、第四章「浅草時代」、第六章「禁じられた恋」、などで語っています。


そして、最愛の大沢清治との別れ、二人の子供たちとの葛藤を、第七章「号泣」、第八章「片腕の長男」、で述べています。


第十章「私の四つの顔」、第十一章「女侠一代」では、喜劇女優だけではなく、様々な分野で活躍した清川虹子の“役者人生”を語っています。


昭和という時代を『恋して泣いて芝居して』走り抜けた清川虹子を、知ることが出来る一冊です。


『恋して泣いて芝居して』の発行は、株式会社 主婦の友社。価格は1,200円(税抜)です。


ところで、清川虹子の一代を描いた舞台、『泣いて笑った私の人生』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e9aec8a60e8e7b375fe88cac45278ee9 を観劇したことがありました。


同作品を書いた劇作家 大森匂子(わこ)さんが、自分の劇団「劇団匂組」で、『虹の刺青』を9月8日(木)~11日(日)まで、池袋「アートスペースサンライズホール」にて上演します。


今回の作品は、清川虹子の人生を軸に、その彼女を取材におとずれた女性記者影子の想いと生きよう(様)を描いています。


ご興味のある方は、劇団のブログ⇒ http://ameblo.jp/gegidanwagumi をご覧下さい。

===「本と雑誌」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~5冊  省略

6冊  2014/3/6  『玉露園のこんぶ茶アイデアレシピ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9159c5e76b3dd3cb64da7019499ee3d6

7冊  2014/11/15『日本のビール 面白ヒストリー』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b9ef4596467913d15de6e62afa954110

8冊  2015/3/5  『オレとО・N』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1e7ca0c0fdffac35a646534430a0abc4

9冊  2015/6/19 『日本の「仕事の鬼」と中国の<酒鬼>』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ed3edee244cf65f41b5071bdc4bae8ea

10冊 2015/9/2  『島耕作の中国ビジネス最前線』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6df82c2084a6ea9760a0a9c93eada5f1

11冊 2015/11/18『佐藤優著「知」の読書術』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9179ebc54e023ce1b5e4efd611f764bb

12冊 2015/12/9 『蝶野正洋著 プロレスに復活はあるのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/abe691bc3a689e9c47e5efeda9014204

13冊 2015/12/21『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/36dd3aaf4ea07815f7db88ae141ab7aa

14冊 2016/2/21 『世界がもし100人の村だったら』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/acc9866eaa55ea4162977a71eb3b5b71

15冊 2016/3/14 『自分がわかる!相手がわかる!使える!心理学』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0b31c00738f2ba9342a9dc715601d26e

16冊 2016/4/28 『絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/29973ce102c830e434a3d5254a8a234c

17冊 2016/5/22 『小泉武夫監修 日本酒百味百題』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/024f1e4cffac057d1640cfa975c60eea


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コメント 2

ナツパパ

懐かしいお名前です。
彼女は、オールラウンドプレイヤーでしたよね。
喜劇ができる役者さんはなんでもできる、は本当なんだなあ、と思います。
by ナツパパ (2016-08-18 08:30) 

隊長

ナツパパさん
清川虹子さんといえば、晩年の奇異な容姿の印象が強いですが、「恋して泣いて芝居して」を読んで、整形手術のためだとわかりました。本の中に記載されている若い頃の写真を見ると、美人だったのだと思います。
by 隊長 (2016-08-20 13:49) 

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