映画 Film137 『伊豆の踊子 (昭和38年)』 [映画]

隊長が、これまでに観た「映画[映画]」を紹介するシリーズの第137回は、『伊豆の踊子 (昭和38年)をお送りします。


伊豆の踊子.jpg



ノーベル文学賞受賞作家・川端康成の短編小説「伊豆の踊子」は、これまでに6回映画化されていますが、今回ご紹介するのは 昭和38年(1963)に公開された4度目の作品です。



監督は、西河克己(かつみ)。配給は、日活。



主演は、吉永小百合と高橋英樹。ちなみに、吉永小百合さんが演じた、ヒロインの踊子・薫は、他の映画作品でも、田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、内藤洋子、山口百恵、と日本映画史に名が残る大女優さんたちが演じています。



吉永小百合さんの映画作品は、これまでに;


1982年公開の『海峡』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/cd127bee08f9bf32d1669968f8dbf03a


2015年の 『母と暮せば』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/012d2dba6f1c44a76922b271b7ee1f9a


の二本を紹介しています。



他の出演者は、宇野重吉、大坂志郎、浪花千栄子、浜田光夫、ほか。



あらすじ:大学教授の「私」(宇野重吉)は、教え子の男子学生(浜田光夫)から「結婚の仲人になってほしい」という相談を受けていました。



その相手の少女が「ダンサー」(吉永小百合)であることを知った老教授の胸に、かつて旅芸人の踊子に淡い恋心を寄せた青春の思い出が甦ってきました。



その思い出とは、伊豆を旅していた学生時代の「私」(高橋英樹)が、旅芸人の一行と知り合い、道中をともにするようになります。



中でも、一行の中の少女・薫(吉永小百合)の天真爛漫な初々しさに、「私」は惹かれていきますが。。。。



感想:オープンニングの現代の場面は、モノクロ画面で、大学の大教室のシーン。講義を行っている老教授=「私」は、後ろ姿ですが、その声から演じているのが宇野重吉さんだと直ぐに分かりました。



講義を終え大学の門から出た教授。都電が走っています。男子学生から恋人を紹介されるシーンの背景は、どこかで見覚えがあります。そこは、昔の駿河台下です。と言うことは、この大学は明治大学ですね⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1d0cdb2920aff92a2714be4ab68b9662



回顧シーンになるとモノクロからカラーフィルムに変わります。そして、回想から覚めてラストの現代シーンに戻ると、再びモノクロになります。この手法は、中国映画『初恋のきた道』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d9520ff4c27be54f59cab8a2c353a7db と同じですね。



同映画は、1999年の公開ですから、日本映画をリスペクトしているチャン・イーモウ監督が、『伊豆の踊子 (昭和38年)』を観ていて参考にした可能性も否定出来ませんよね。



回想シーンの冒頭、「私」役の高橋英樹が、トンネルを歩いて抜けるシーンがありましたが、あのトンネルは「旧天城トンネル(天城山隧道)」でしょうか。



旅芸人一行と「私」が雨宿りをした茶屋のシーン。茶屋のおばあさんが、旅芸人への差別的言辞を何度も弄しますが、時代的背景抜きには理解出来ないかも知れないです。



そして、日本がまだ貧しかった頃の暮らしが、随所に見られます。今ならCGで加工した映像を使用するでしょうが、昭和38年の撮影当時はまだロケで、大正時代の雰囲気を出せたのでしょう。



踊り子・薫役の吉永小百合さん、撮影当時はまだ18歳の現役の高校生でした。彼女の顔がアップになった時、額にニキビがあって、まさに純粋無垢な薫にピッタリでした。



しかし、ただ若いというだけでなく、演技もしっかりしていて、既に将来の大女優の兆しが現れている作品と言えるでしょう。



この映画が公開されてから55年が経ちました。出演していた多くの方が、既に鬼門に入っています;


宇野重吉、大坂志郎、浪花千栄子、桂小金治、郷鍈治、ほか(敬称略)。


亡くなられた俳優の方々のご冥福をお祈りいたします。


 



 


 



===「映画」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f


Film1~125 省略


Film126 2018/5/1 『旅情』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/63567689611394d28e77b8558c7b3e3a


Film127 2018/7/25 『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e5b3fd4cc6a58b0c3cdbd587ac89adc2


Film128 2018/8/10 『天使の涙』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/53b2632e5c12c2ff9c9bd33358705577


Film129 2018/8/16 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/337626c8d78938a7031f30becb62726b


Film130 2018/8/21 『大空港』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ef4d3694a07eb12707a6a119c497e44


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Film134 2018/11/15『恋する惑星』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ff0d07c9bddd00bac5b64937abcae468


Film135 2018/11/30『ダ・ヴィンチ・コード』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/eb2f55f1ea3284f150df68f320c7f076


Film136 2018/12/20『Taxi4』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b4c34d387c141f0ff9df7df1449f7ec6 


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小百合ちゃんの「伊豆の踊り子」最高ですね!
大坂志郎が懐かしい・・・
by Hide (2019-01-24 16:12) 

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