街歩き 第66回 『小石川後楽園』 (その1) [街歩き]

隊長の地元:東京都文京区内や近隣を散歩する「街歩き」シリーズの第66回は、『小石川後楽園』をお送りします。


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満開だったソメイヨシノが散り始めた3月31日(土)に、文京区後楽にある『小石川後楽園』へ行ってきました。写真は、唯一の出入り口「西門」です。



この庭園は、寛永年間(1624~1643年)水戸徳川家の初祖・徳川頼房公によって作られ、二代光圀公によって完成した我が国における代表的な回遊式築山泉水(つきやませんすい)庭園です。



周囲の塀に、江戸城の石垣を再利用した箇所もあり、歴史を感じさせる公園です。


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文京区本郷の我が家から、徒歩12~3分の所にあるので、子供の頃から何度も訪れたことがあります。



改めて行こうと思い立ったのは、3月に水戸を訪れたり⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e39e984e9c6142c4b96185b8fee3127a



また、NHK[TV]大河ドラマ「西郷どん」⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/23d0cfdba09eebdb33af4923715060bc に、徳川斉昭(なりあき)公や慶喜公が登場し、水戸藩の歴史に興味を持ったからです。



「都立文化財9庭園」の一つですが、他の8庭園の内では、『旧岩崎邸庭園』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5729611c2651987ee1d05353d9aca0e2 を、紹介しています。



入園料は、300円。天気が良いこの日は、外国人を含め多くの入園者で賑わっていました。



券売所の左手にある建物が「涵徳亭(かんとくてい)」。中には、お休み処があり、食事をとることも出来ます。


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この日は、11時半からの庭園ガイド(無料)に参加しました。集合場所は、推定樹齢約60年の見事な枝垂桜(しだれざくら)の側。


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ガイドがスタートしました。まずは、岡山の「後楽園」と「小石川後楽園」の違いから説明が始まりました。



枝垂桜の下にある「陽石」。この場所には、水戸藩のお屋敷があり、お世継ぎの誕生を祈り、男性シンボルを形どった「陽石」が置かれていたそうです。


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ガイドツアーに参加しなければ、樹の下の小さな石など目も止めなかったでしょうね。近くに「陰石」もあるのですが、余りにも生々しいので、写真のアップは控えます。



「涵徳亭」脇の小径を、一面オカメザサで覆われた築山の「小廬山(しょうろざん)」を右手に見ながら、西に進みます。「小廬山」は、その姿、形が中国の景勝地・廬山に似ていることから江戸の儒学者・林羅山が名づけたものだそうです。


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林羅山は、「湯島聖堂」の前身「先聖殿」を建てたことでも知られています⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c66cd33b56232b9d53fbdf8f90cefb04



「大堰川」にかかる「渡月橋」を渡ります。「大堰川」の名は、京都嵐山の下を流れる大堰川にちなんでおり、昔は神田上水から水車で水を汲みあげて流していたそうです。



「渡月橋」から「通天橋」を眺めます。 「通天橋」は、京都・東山東福寺の通天橋にならい、大堰川に朱塗りの虹橋をかけたものです。


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「西湖の堤(せいこのつつみ)」は、中国の杭州(現在の江蘇省)の西湖の堤に見立てたものです。本園以後、日本各地の大名庭園に影響を与えたといわれています。


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光圀公は造成に当たり、明の遣臣・朱舜水(しゅしゅんすい)の意見を用い、円月橋、西湖の堤など中国の風無知を取り入れました。



「屛風岩(びょうぶいわ)」は、屏風の様に真っ直ぐに屹立(きつりつ)していることから、そう呼ばれています。三代将軍・家光がしばしば訪れた際に、この近くの松の枝に手拭いを掛け、河原の石に腰をおろしたといわれています。


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「通天橋」の上から「大堰川」を見下ろす。


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「小廬山」の広場からの眺めも素晴らしいです。


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昔の田舎のわびた茶屋のたたずまいを現わしている「丸屋(まろや)」。戦災で焼失したが、昭和41年に復元されました。萱葺き屋根にネットが掛けてありますが、ガイドさんの説明によると、カラスが巣作りのため藁を持って行くのを防ぐためとのこと。


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この庭園の中心的景観の「大泉水(だいせんすい)」。蓬莱島と徳大寺石を配し、琵琶湖を表現した景色を造り出したもので、昔はこの池で舟遊びをしたといわれています。


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池で泳ぐ、親鴨とヒナ鴨。ガイドさんによると、鳥が食べたか魚が食べたか、日に日にヒナの数が減っていくそうです。


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園の北側地域は、景観が一変します。梅林、稲田、花菖蒲、藤棚の田園風景が展開します。庭園の中に稲田があるのは、後楽園だけでしょう。



これは農民の苦労を、光圀公が彼の嗣子・綱条の夫人に教えようと作った田圃で、現在は毎年、文京区内の小学生が、5月に田植え、9月に稲刈りをしています。


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訪れた時は、左手奥に一本だけあるヤマザクラが満開でした。



★ 続きは、『小石川後楽園』 (その2)で ★




===「街歩き」バックナンバー===
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第1回~50回 省略


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