映画 Film126 『旅情』 [映画]

隊長が、これまでに観た「映画[映画]」を紹介するシリーズの第126回は、『旅情』をお送りします。


img_0_m.jpg



『旅情』(原題:Summertime)は、1955年に製作・公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。



ブロードウェイでヒットしたアーサー・ローレンツの戯曲『カッコー鳥の時節』の映画化作品。



脚本は小説家のH・E・ベイツと、監督も務めたデイヴィッド・リーンとが協力して行いました。



出演は、アメリカ人女優のキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)と、イタリア人男優のロッサノ・ブラッツィ(Rossano Brazzi)。



あらすじは、38歳で独身のアメリカ人女性ジェーン(キャサリン・ヘップバーン)は、休暇でイタリア・ヴェネツィア(ベニス)を訪れます。



ホテル[ホテル]に落着いた彼女は、相手もなくたった一人で見物に出かけ、サン・マルコ広場のオープンカフェで一服します。



そこで出会った骨董屋の主人レナート(ロッサノ・ブラッツィ)と、つかの間の恋に落ちてゆくのですが。。。。



「旅情」というタイトルと、主演がキャサリン・ヘップバーンということしか知らない古い映画を観たいと思ったのは、昨年の7月にヴェネツィアに行った⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/163d8c37c4e8903b98aba1fee29e26e3 からです。



観光バスで、ヴェネツィア対岸のメストレと本島を結ぶ全長約4kmの「Ponte della Libertà (リベルタ橋)」を渡っている時に、添乗員さんがこの映画の話しをしてくれました。



「旅情」のオープニングは、ジェーンが乗ったオリエント急行の列車が、リベルタ橋を渡って、目的地のサンタ・ルチア駅へ向かうシーンです。



隊長たちは、バスでしたが、車窓からは並走するユーロスターの姿が見えました。


DSC_0473.JPG



映画では、駅に着いたジェーンは、ホームからポーターに荷物を運んでもらいます。日本でも、1950年~60年代には、赤帽と呼ばれたポーターが、駅にいましたね、



サンタ・ルチア駅の外に出ると、各ホテルのベルマンが並び、自ホテルの名を叫んでいます。



日本では、今でも温泉旅館の番頭さんが、駅で自分の旅館の旗を持ち、お客様をお迎えしていますよね。



亡き祖母から聞いた話では、戦前に旅館を営業していた頃⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9b9ff1e016962cfd51c1ab830f76d004 には、駅前でお出迎えしていたそうです。



この映画にたびたび登場し、重要な役割となるゴンドラ、隊長も本場で乗りました⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/555fc016e6c7e73c99549d9b5a999245



ジェーンはマウロ(Mauro)という少年(子役)に、しばしば助けられますが、気になったのは、マウロが常に裸足だったこと。



『ローマの休日』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0c3c4c2db8ae25498a19232f24fff4fe にも書きましたが、1950年代中頃のイタリアは貧しかったのですね。



同じ敗戦国の日本ですが、昭和30年前後に裸足の子供は、もういなかったのではないでしょうか。



最も感動したのは、ラストのジェーンがレナートに別れを告げて、サンタ・ルチア駅からの列車に乗り込み、帰国の途についたシーンです。



最後の別れをと駅のホームに駆け付けたレナートですが、無情にも列車は動きだします。レナートは、何とかプレゼントを渡そうとするのですが、それもかなわず、二人にとって思い出のクチナシの花も手から落ちてしまいます。



列車の窓から体を乗り出し、ちぎれんばかりに手を振るジェーンでした。


5f40905932e50dd4bde88187cfab6172.jpg


隊長も、ヴェネツィアを去る時⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7b5ca8f9d96d8566306ab48cf51cf16a には、感傷的な気分になったことを思い出しました。



映画の全編に流れる音楽も、“大人の恋の物語”に相応しく素敵でした。


 



 


 


 


===「映画」バックナンバー ===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f


Film1~110 省略


Film111 2017/8/30 『80間世界一周』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ab23e821ccfa349e7da22d24a25784cc


Film112 2017/9/4 『グッドモーニングショー』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e376f43c308b544ad715a893b5b0eb82


Film113 2017/9/25 『ドリームガールズ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e734eb416068eb5159759d96017e1834


Film114 2017/10/17『マイノリティ・リポート』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c5cd75014ed2cc69360f2716da755fe7


Film115 2017/10/30『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f28d0086acf890738ad7ef195998959e


Film116 2017/11/7 『バリー・シール/アメリカをはめた男』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ee83a3aab9fb7a6854b1080794857de3


Film117 2017/11/13『キャストアウェイ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/48eee46263ceed4d067b4674d472bd50


Film118 2017/11/20『あん』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/859faf62079f34ba7fd011956cf4d5e7


Film119 2017/11/25『レインマン』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8dfa58ec59fb5db95581bfb98b3efebd


Film120 2017/12/23『幸福の黄色いハンカチ』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3f73270c48bb92bd8eea1bb9bb652705


Film121 2018/1/23 『トッツィー』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/65dd7e0a5da164f301f44c980bed7519


Film122 2018/2/14 『ALWAYS 三丁目の夕日』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bfdd3cbb4b66440b781da88024774d28


Film123 2018/3/11 『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bbc62234017de250316fad2d85d1f3df


Film124 2018/3/25 『ユー・ガット・メール』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d44f396ca54984022a2045cb0fce87ee


Film125 2018/4/9 『テルマエ・ロマエ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4b4e7feb067db9bd82c810b06964865c


タグ:旅情
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。