ブラジル周遊記 9日目 『アマゾン河の二河川合流地点』 [ブラジル周遊記]


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【9日目:4月17日(木)】 『アマゾン河の二河川合流地点』


マナウス滞在3日目は、終日「アマゾン河観光」の予定ですが、あいにく朝からの豪雨[小雨]で、天気予報も一日中雨です。


南緯3度、海抜40mのマナウスは、熱帯気候で、四季がなく、年間を通して最高気温が31~33℃、最低気温が24℃。あるのは、12月末~6月の“雨期”と 6月末~12月の“乾期”だけです。4月は雨期なので、朝からの雨も仕方がありませんね。


9:00に迎えに来てくれた、甥のS君の車に乗り込み[車(セダン)]アマゾン・プライベート・クルーズ”の出発地点「セアザ港」に向かいます。「セアザ港」は、マナウスの南東部「アマゾン河」河口に位置し、近くには保税工業団地もあります。


クルーズのメンバーは、マナウスに住んでいるS君と息子のダニエル君、旅行者の義兄と、友人のT氏、それに隊長の5人。


朝のラッシュ時を過ぎていたので、道路を走る車の数は多くはありませんが、舗装の状態が悪いのと下水の設備が整っていないためか、道路のあちらこちらに水溜りが出来ています。その水溜りを蹴散らすかのように、車は港[船]に向かいます。


工業団地を抜けると、右手に大きなクレーンが見えてきます。「セアザ港」は、フェリー発着の港と同時に、工業団地から出荷するコンテナ港の機能も持っています。ただ、最近、別の場所に大型コンテナ港が出来たので、そちらに物流の拠点は移っているそうです。


9:30に「セアザ港」の船着場に到着。船着場の前には屋根が付いていて、右側には軽食のスタンドや、土産物店。左側には魚屋や果物屋の小さな商店が軒を連ねています。

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 S君が駐車場に車を移動している間、まだ雨が降り止まないので、商店を見学して時間を過ごします。


魚屋には、ここでも川魚が山積みされています。どのように調理するのか、大きな川ナマズもあります。

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果物屋の店先は、柑橘類が豊富です。

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ボートの中で飲むビールなどの飲料を商店で仕入れ、戻って来たS君と船着場に移動します。S君から“プライベート・ボート・クルーズ”と聞いていたので、どんな“豪華なボート”かと思ったら、10人乗りの釣り舟の様な小さなボートです。

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ボートの右側には車を満載したフェリーが停泊しています。上流の「ネグロ川」に橋がかかる迄、フェリー船は対岸への重要な交通手段だったのでしょう。


我々5人だけの“プライベート・ボート・クルーズ”ですから、全員が乗り込むやいなや出発です。船長と言うより、船頭はキーニョさんです。キーニョは、S君が旅行会社に勤務していた頃からの知り合い。


港から下流に約10km行った『アマゾン河の二河川合流地点』 を目指します。『二河川合流地点』 とは、アマゾン河の支流「Rio Negro(ネグロ川) と「Rio Solimoes(ソリモインス川) 」が合流する地点で、このあたりから「Rio Amazon(アマゾン河)」という名になります。


二つの河川の水は混じり合わず、そこから乾期で約17km、雨期では約70kmに渡り下流に向かって、はっきりと境界が出来て流れています。


キーニョのボートに乗り込む時に、韓国のセウォル号沈没事故が頭によぎりました。宿泊先の「ブルー・ツリー・プレミアム・マナウス」は、NHK BS放送が見られるので、既に事故のことはニュースで知っていました。


ボートの最前列、キーニョの脇に座り、天井を見ると救命胴衣が収納されています。けれども、案の上、救命胴衣は定員10人の舟に5着しかありません!もし、今回事故があったら、キーニョを入れて6人、誰か1人の救命胴衣が足りません!


不安な気持ちになりましたが、ボートが走り出すと、川の流れはおだやかで波もほとんどありません。アマゾン河はマナウスが海抜40m、マナウスから上流1100kmにあるタバチンガの海抜が55mと傾斜が緩やかなため、流れが実に穏やかです。


ボートは真っ直ぐに、『二河川合流地点』に向かいます。周りにも船影を見かけません。これなら、転覆することはないだろうと安心したら、キーニョがスマホを取り出し、片手で舵を握り、片手でメールを打ち始めます。前はほとんど見ていません。


思わず「メールは止めて!」と叫びたくなりましたが、悲しいことにポルトガル語が話せません。


不安な気持ちのまま、出港してから15分程で、合流地点に到着しました。確かに、川の真ん中あたりに、色がくっきりと二つに分かれていて、それがどこまでも続いています。

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水が混ざらない主な原因は「ネグロ川」と「ソリモインス川」の比重、流速、温度、成分の違いです。季節にもよりますが、「ネグロ川」が水温28℃、流速毎時3~4km。「ソリモインス川」が水温22℃、流速毎時7~8kmほど。


ネグロ川は、コロンビアを水源に持ちイガホーと呼ばれる浸水林の間をゆっくりと流れて下ってくるので、黒い色をしています。ちなみにポルトガル語で「Negro」とは“黒い”と言う意味です。


一方、ソリモインス川は、ペルーが源流で、アンデスの雪解け水を集めて流れてくるため、泥を含んで黄土色をしています。

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この不思議な現象を眺めていると、船頭のキーニョが「黒い色から黄土色の部分にボートを移動するから、手を水の中に入れると温度の違いがわかる」と言います。


彼の言葉に従って手を入れると「ここら当たりにはピラニアが居るので、手を入れると指がなくなるぞ」と脅します。思わず手を引っ込めると、笑いながら冗談だと言います。


ピラニアは、弱ったり傷ついた人や動物は襲いますが、手を入れたくらいでは噛み付かないとのこと。但し、傷が有って出血している部分を漬けると、すぐに襲ってくるそうです。


安心して手を入れて、ボートが黒い色から黄土色の部分に移動すると、冷たく感じます。その逆だと、温かく感じます。


この不思議な体験を満喫して、ボートは『二河川合流地点』を離れ、「ソリモインス川」に入ります。


スピードを上げたボートが10:35に着いたのが、川に浮かぶフローティングハウスです。ここでは、魚を生簀(いけす)で飼っていて、観光客に釣りや餌やりをさせてくれます。

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先ずは、体長3mにもなる世界最大の淡水魚“ピラルクー釣り”です。

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餌の魚を、竿と言うより棒の先の糸に巻きつけ、生簀の中に垂らします。針が付いていないので、釣上げると言うより、引きを楽しみます。餌が取られるまで、一人三回まで遊べます。


最初の挑戦者は、ダニエル君。

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最後が隊長の番です。棒の先の餌を生簀に入れた途端、何匹ものピラルクーが噛み付きます。引きが強く、このまま生簀に引っ張り込まれそうで、まさに“格闘”です。思わず“こんちくしょう!”と大声で叫んでしまいます。


大声で叫ぶのは、イグアスの滝の「悪魔の喉笛」の下に入った時、以来です http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/5_f432.html


次は“タンバキ餌投げ”です。タンバキは、アマゾン河流域に生息し、大きいものだと体長1mになります。ピラニアに似た外観から、肉食魚と勘違いされますが、草食傾向の強い魚です。

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固形の餌を生簀に投げ入れると、タンバキが争って、餌に喰らいつきます。バシャバショと音を立てて、喰らいつく様は、鯉に餌をやる優雅な光景とは違い迫力満点です。

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昨晩、川魚料理の「カント・ダ・ペイシャーダ」で“タンバキのソティ”と“タンバキのミンチ揚げ”を食べたことを思い出しました http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/8_2e2e.html


こんなに活発に動く魚なので、身が締まって美味しいのでしょうね。


こうして、10:35~11:00まで、フローティングハウスの上で遊び、再びボートに乗り込み、「ソリモインス川」のさらに奥へ進みます。


* 続きは『9日目:水上レストランと大鬼蓮』で *

(料金の情報、現地通貨(レアル)及び米ドルの円換算レート R$1≒50円 US$1≒103円 は、2014年4月現在のものです)

===「ブラジル周遊記」バックナンバー ===
http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/cat12639252/

1日目 2014/4/9  『リオまで30時間の長旅です』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/1_30_fb3a.html

2日目 2014/4/10 『リオのカーニバル会場』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/2_b0ec.html

2日目 2014/4/10 『ミナス料理のア・ミネイラ』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/2_1219.html

2日目 2014/4/10 『コパカバーナ海岸』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/2_a972.html

3日目 2014/4/11 『コルコバードの丘』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/3_26ad.html

3日目 2014/4/11 『マラカナン・スタジアム』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/04/3_2993.html

3日目 2014/4/11 『ポム・ジ・アスーカル』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/3_9c2a.html

3日目 2014/4/11 『リオでの最後の晩』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/3_91fc.html

4日目 2014/4/12 『リオからイグアスへ移動』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/4_aa70.html

4日目 2014/4/12 『イグアスの滝:悪魔の喉笛』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/4_5ccd.html

4日目 2014/4/12 『フォルクローレ・ショー』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/4_33f1.html

5日目 2014/4/13 『イグアスの滝:ブラジル側』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/5_0f4f.html

5日目 2014/4/13 『イグアス滝の上のレストラン』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/5_f432.html

6日目 2014/4/14 『イグアスからサン・パウロへ移動』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/6_2372.html

6日目 2014/4/14 『サン・パウロの東洋人街』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/6_de0e.html

7日目 2014/4/15 『サン・パウロからマナウスへ移動』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/7_acb9.html

7日目 2014/4/15 『シュハスコ料理のブファロ』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/7_e94a.html

8日目 2014/4/16 『マナウスのアマゾナス劇場』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/8_4fb2.html

8日目 2014/4/16 『マナウス中央市場の川魚』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/8_033c.html

8日目 2014/4/16 『マナウスのコーヒー工場』http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/8_2e2e.html


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コメント 3

ちゅんちゅんちゅん

こんにちは!
ながらスマホは世界中に蔓延してるんですね☆
釣りもすごい迫力です!
レジャーというより格闘技みたいです(゜o゜)

by ちゅんちゅんちゅん (2014-05-21 15:29) 

昆野誠吾

救命胴衣がポーズだけとか船頭の不注意とか
日本人から見ると「ええええ!」ですけど
現地の感覚だと普通なことって世界中色々ありますね。
でもユーモアや冗談はどこでも一緒、面白いです^^
それにしても水族館で見る珍しいピラルクを釣るなんて
なかなかできる経験じゃないですね、行った者の特典ですね♪
by 昆野誠吾 (2014-05-21 20:51) 

hasseyおやじ

水の色が違って混ざらないという話は出張に行った同僚から聞いたことがありますが、写真で見たのは初めてです。不思議ですね。
by hasseyおやじ (2014-05-21 23:56) 

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