演劇9幕 1300里の彼方~えにしの氷川丸~ [演劇]


            =写真をクリック・タップすると拡大画像が表示されます=


10月13日(日)は、友人の大森匂子(わこ)さんが脚本を書いた『1300里の彼方~えにしの氷川丸~』を、「銀座みゆき館劇場」に観に行きました。

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大森さんの劇を観に行くのは、昨年12月の『あかつき』⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/01/post_5e4e.html 以来。


「銀座みゆき館劇場」に行くのは、昨年6月の同じく大森さん作『泣いて笑った私の人生』⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/06/post_c907.html 以来です。

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一緒に行ったのは、大学時代からの友人で大森さんの連れ合いのT君と、同じく大学時代からの友人のK君です。


隊長とT君、K君は、大学生の頃、「銀座みゆき館劇場」の隣の隣にある「銀座能楽堂ビル」の駐車場でアルバイトをしていました。


アルバイトの内容は、今は廃止されてしまいましたが、「銀座能楽堂ビル」には立体式の駐車場があり、そこで駐車場の機械の操作・車の誘導・料金授受の仕事でした。


そんな事から、「銀座みゆき館劇場」周辺は懐かしい場所なのですが、久しぶりに銀座に行ってみて、「銀座東芝ビル」も建て替えの為に解体され、周囲の様子も大分変わっていました。


さて、『1300里の彼方~えにしの氷川丸』の内容ですが、劇団“方の会”の主催者で、この劇にも出演されている、市川夏江さんが幼少の頃に過ごされた中国海南島での思い出てと、戦争が激しくなり同島から“氷川丸”で引揚げをした物語です。

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【劇場の入り口には氷川丸の模型も展示されていました】


恥ずかしながら、戦前の海南島に多くの日本人が住んでいた事も、今は横浜港に係留されている“氷川丸”に、こんな逸話が有ったなんて、この劇を観るまで、全く知りませんでした。


海南島には、今年の5月に行っているので、尚更、思い入れを込めて、観劇しました。


市川夏江さんが住んでいた、同島北部の“海口”にも行って、戦前からの古い街並みも見て来ました⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/05/vol22_12_10b3.html


又、戦争末期にはあちこちに機雷が沈められていて、市川さん達がやっとの思いで“氷川丸”に乗船した“三亜湾”も、今では観光客で賑わっています⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/06/vol22_15_6b16.html


海南島に行く前に、この劇を観ていたら、現地での感慨もさらに深いものになっていたでしょう。


今回の出演者は、ベテランの男優・女優さんが11名、若手が3名、子役の女の子4名の総勢18名です。

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ベテラン陣の演技の確かさは、言うまでもありませんが、若手・子役達も頑張っていました。


海軍通信官:根本を演じた新田将司さんは、前半の市川家でくつろいでいる時の表情と、後半の兵隊として、任務と恋人との狭間で揺れる苦悩の演技が光りました。


根本の恋人で、レストランの従業員 キンケイを演じた大木梓彩(あずさ)さんも、前半での子供達と“兵隊さんのおかげです”を歌い、踊った時の明るい表情と、恋人と引き裂かれるつらさを見事に演じていました。


4人の子役も、小劇場で観客との距離が近いのにも関わらず、それぞれの役に集中して演じていました。


セリフも完璧で、彼女達の演技に、何度も涙がこぼれそうになりました。


特に、市川さんの子供時代を演じた、前田優奈ちゃんには、感心しました。


妹を励ましながら、トンネルの中を進む時の演技には、妹思いの気持ちがストレートに伝わって来ました。


あと、素晴しいなと思ったのは、セット・照明・小道具です。


狭い空間にも関わらず、同じ舞台セットが、海口の家、氷川丸船内、列車内、等に変わり、照明と相まって、スコールの後の海口の家のベランダの光景は、まるで本物の様でした。


ランドセル、絵本などの小道具も、あり合わせの物ではなく、戦時中の雰囲気を出していました。


ただ、ひとつ残念だったのが、中国語のセリフです。


中国人役の3人が、中国語でセリフを喋るシーンが多かったのですが、大多数の観客に取っては、“謝謝(Xiexie)”ぐらいしか分からなかったのではないでしょうか。


隊長にも、普通の速さで話している中国語は聴き取れましたが、感情が高ぶって早口になるセリフは聞き取れませんでした。


日本語字幕を表示するか、セリフを片言の日本語で喋っても良かったのではないでしょうか。


尚、大森匂子さん脚本の次回の芝居は、来年1月22日~28日に「新宿 @SPACE雑遊」で行われる『みすゞかる』です。


今回の『1300里の彼方~えにしの氷川丸』で、中国人のお手伝いさん役を演じた沼口莉瑳さんが主演します。


本公演に関するお問い合わせは、「劇団劇作家」[携帯電話]:080-5498-5037まで。


==== 「演劇」バックナンバー ====

http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/cat12189338/

1幕 2012/1/14 『アイ・ガット・マーマン』日比谷シアタークリエ⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/01/post_1269.html

2幕 2012/5/19 『爛々と燃ゆる』渋谷ギャラリールデコ⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/05/post_3b4a.html

3幕 2012/6/4  『泣いて笑った私の人生』銀座みゆき館劇場⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/06/post_c907.html

4幕 2013/1/14 『あかつき』荻窪アトリエだるま座⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/01/post_5e4e.html

5幕 2013/1/16 『普通の女4』赤坂明日にかける橋⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/01/4_5234.html

6幕 2013/7/17 『香華』新橋演舞場⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/07/post_2ac3.html

7幕 2013/8/19 『シンデレラ』川崎ノクティホール⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/08/post_a690.html

8幕 2013/10/15『一谷嫩軍記』国立劇場⇒ http://shanghai-taichou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/10/post_e86a.html

 

 

 

 


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風来鶏

芦田愛菜や本田望結といった名子役が映画やテレビで活躍していますが、舞台を経験している子役の方がレベルが高いのではないでしょうか?!
by 風来鶏 (2013-10-21 09:20) 

隊長

風来鶏さん
隊長は、芝居には素人ですが、確かに映画やテレビは、コマ切れで撮影しますが、舞台はセリフも全部完璧に覚えなければならないので、舞台経験がある子役の方が将来、大成する確率が高いかもしれませんよね。
by 隊長 (2013-10-21 15:15) 

Hide

こんばんは。氷川丸と聞きますと病院船なんですよね!
よくぞ頑張ってくれました!感謝、感謝です。
舞台は厳しいですよ〜劇団四季の慶太さんが怒りますよ!
by Hide (2013-10-21 21:14) 

隊長

Hideさん
いつもコメントありがとうございます。
隊長は、氷川丸は病院船だったこと位の知識しかありませんでした。
今回、海南島にも引揚げ船として、立ち寄ったことを知りました。
舞台は面白いですね。
by 隊長 (2013-10-21 23:01) 

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